ブログ『マダニが媒介するSFTSに注意!』
目次
マダニが媒介するSFTSに注意!
もうすぐ春になり暖かくなってきます。
そこで必要なのがノミ・マダニ予防です!
今回は、マダニが媒介する怖い病気「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」について紹介します。
お知り合いの動物病院さんでは、猫ちゃんがSFTSにかかって亡くなってしまったと聞きました。
普段室内飼いの猫ちゃんだからとノミ・マダニ予防をしておらず、
ふとした時にお家から脱走した時にSFTSにかかってしまったそうです。
「室内飼いだから、うちは大丈夫」という油断をせず、
しっかりと予防して、愛犬・愛猫・ご家族を守りましょう!
SFTSって?
夏場は日本でも殺人マダニに注意と話題になりましたが、
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はマダニに吸血されることで感染する恐ろしい病気です。
もしくは、マダニに咬まれて感染した動物(野生、屋外で飼育されている動物)
の体液などにより感染します。
感染患者の血液、体液との接触感染も報告されています。
マダニは野外に生息する大型のダニで、
屋内に生息するダニ(コナダニ類・チリダニ類など)は
この疾患とは関係ありません。
2009年に初めて中国で報告され、
日本では2013年に国内で初めて人の死亡例が報告されました。
その後日本全国で、2020年1月までで498名の感染届出があり、
うち70名死亡と高確率で生命のリスクがあります。
(一般的に致死率は6~30%といわれています。)
潜伏期間は6日~2週間程度です。
主な症状は発熱と消化器症状(おう吐、下痢など)が中心で、
倦怠感、リンパ節のはれ、出血症状なども見られます。
マダニはどこにいるの?
マダニは、ドライブやキャンプなどで訪れる郊外の山や森の草むらや、広い公園や河川敷の草むらなどに潜んでいます。
こういった場所をお散歩するワンちゃん、外に出るネコちゃんは特に注意が必要です。
室内飼いのネコちゃんも、思いがけず脱走してしまうこともありますので、定期予防をオススメします。
※画像は平塚総合公園(平塚市役所HPより引用)
マダニに咬まれるとどうなるの?
■貧血
マダニから大量に寄生・吸血されると、貧血を引き起こします。
■アレルギー性皮膚炎
マダニの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみなどを引き起こします。
■ダニ麻痺症
マダニは種類によって唾液中に毒性物質を産生するものがいます。
そうしたマダニに吸血され、毒性物質が体内に注入されると、神経障害を引き起こします。
その他にも、様々な悪影響を及ぼす恐れがあります。
マダニが媒介する病気は?
SFTSの他にも以下の病気も媒介します。
■日本紅斑熱
2~8日後に倦怠感や頭痛・悪寒を伴い、急に38~40℃の高熱が出ます。
高熱とともに米粒大から小豆大の赤い発疹が現れ、手足から全身に広がります。
■ライム病
マダニの刺咬部を中心とする遠心性の紅斑が数日~数週間後に現れることがあります。同時に筋肉痛、関節痛、悪寒などの症状がみられることがあります。
どうやって予防するの?
当院では月に1回、5~12月の予防をお勧めしています。
家の中を暖かくしているご家庭や、マダニが生息している場所に頻繁に行かれる子は、通年予防をお勧めしています。
垂らすタイプの予防薬、一緒にフィラリアも予防してくれるおやつタイプの予防薬などがあります。
どの薬が良いかわからない方は、当院スタッフまでお気軽にご相談下さい。